平成7年1月26日に設立された異業種提携による盛岡食材加工協同組合は農林水産省・食品流通局の補助事業「フードシステム高度化対策事業」として国内で最初にスタートしました。組合のセンター的役割と組合員の共同施設として農産物の一次加工や流通拠点などの機能と目的があります。
生産者団体と食品量販店、病院、ホテル、外食産業、輸送業者、商社などが事業協同組合を結成し、お互いの役割分担のもとで、地場産の食材を効率的に消費者に供給する食品流通の仕組みを組み立てる施設として稼働しております。
都市と農業のありかた
岩手県の食材生産物を対象に身近な消費地である盛岡圏内を背景として地元生産者と市民生活を支える各種業態の食に関わる結びつきは、その地域での供給と需要との役割ばかりではなく、消費者をも加えた地方の共同体として認識し、お互いに協力することでもあります。将来の地方における都市と農業のありかたを模索していきます。
設立の背景
設立の背景として、農産物や加工食品の輸入量が増加しており、食品の海外依存度が、ますます高くなってきています。これは地域農業へ悪影響だけでなく、消費者の求めている安全、安心な食品の供給という面からも危惧される問題でもあります。こうしたことから、今後、消費者に直接接する外食産業や食品販売業者にとって、生産者の見える食品の供給という役割が期待されると思われます。一方では、食品関係企業にとっては今後の営業環境はさらに厳しくなることが予想され、経営の合理化や多様化する市場に対応する必要が生じてくると思われます。
地場食材利用の流れ
1.受注
受注した商品は管理室に整備されたPCに登録され、製造品目毎に、製造数量、配送先、配送ルート、代金決済情報などが管理されます。
2.食材の仕入れ
お米は組合員の(株)パールもりおかの自社工場より精米したての県産100%のお米を仕入れています。食味が落ちない様に仕入れのサイクルを短くしています。
また、野菜は組合員および提携先のACC、盛岡中央青果市場より県産野菜を中心に仕入れております。地場で供給できない品目や冬期間の果菜類、葉菜類などは、県内外の卸売り会社、盛岡中央青果市場から供給を受けています。
3.食材加工
盛岡食材加工センターに整備されている米の炊飯ラインとカット野菜の製造ラインで食材を加工します。
4.配送
外食産業や学校、老健施設、量販店などのお客様の元へ加工食材をお届けします。配送に使用する保冷車では、指定された場所まで商品の適正な温度を保ち、鮮度を落とさない様に気を付けてお届けしています。
参加事業者のメリット
生産者
- 年間を通した安定供給先の確保
- 規格選別作業の省力化
- 規格にとらわれない出荷
- マーケットの需要把握
外食事業者・量販店・病院等
- 新鮮で高品質な地場食材の利用
- 地場食材を求める消費者志向への対応
- 食材生産者の明確化
- 多彩なカット野菜の商品化
- 施設投資、人件費の節約
消費者
- 産地が見える地場産品の消費